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立冬に入る

気温16℃ 湿度79% 月齢8.81 九夜月 立冬

11月1日 大学に行った。

11月2日 大学に行った。

11月3日 目がみっつになった。

11月4日 大学に行った。

11月5日 大学に行った。

11月6日 さなぎになった。

11月7日 大学に行った。

11月8日 目がふたつにもどった。

 

 

私が日に日にろくでもない人間になっていくのをよそに何度目かの冬が来た。バーの店先にポインセチアがいた。てごわい。

 

■これまでのバイト遍歴を振り返る 

今まで携わってきた9つのバイトを振り返る。私は移り気で飽きっぽいから、どんなに恵まれた仕事だと分析していても2年もやれば気が済むし、気が済んだら次に移ることにしてきた。思えば高校の頃は毎日新宿と吉祥寺に通っていたにも関わらず、その周辺でバイト先を決めなかった。もったいないのかもしれない。でもその頃は習い事に打ち込んでいて、バイトする時間なんかほとんど作らなかった。

 

①回転寿司のホール

初めてのバイト。高校2年の頃に従事。

回転寿司の設備や環境はレジャー施設のようなもので(だってsushiがくるくる回るんだよお、あんなにも奇妙な空間他にある?)非常に興味深く好感が持てた。ただ仕事内容は自分が経験した数あるバイトの中で最も相性が悪く、大変だった。接客文句を発するのにいちいち絶叫しなければならなかった。

 

良いところ:活気にあふれている。設備が面白い。男女比半々(ちょい男の人が多めか?)。

悪いところ:頭髪規定が厳しい。声が枯れる。他人との連携プレーが下手だと致命的。

 

 

不二家のケーキ工場スタッフ

高校のクリスマス繁忙期に短期契約。無数のケーキがベルトコンベアに運ばれ、着々と完成していくワクワク空間だった。ワクワク空間は2日でその輝きを失ったけれど。ワクワク空間というよりワクワク期間だった。休憩室の高みから、寒々しい青空を背景にした巨大な工場設備を眺めるのが好きだった。おどろおどろしく、静かに確実に機能している。

 

良いところ:一人でコツコツ作業に没頭できる。まかないでケーキをもらえる。設備が面白い。男女比半々。

悪いところ:長期には向かない。単調。始業するまでの衛生的準備に手間がかかる。

 

 

③若菜の惣菜工場スタッフ

同じく春休み期間に短期。

ゴマをまぶす、

ゴマをまぶす、

ゴマをまぶす、

ゴマをひたすらまぶす、だとか、ごぼうを計量する、だとか、といった単純作業を繰り返すうちに、心がゆっくり死んだ、ので、私はレクイエムを口ずさみながら手に握ったゴマを、むかつくおばさんの頭にぶっかけた。目の前で泳ぐ魚をくすぐったり、ポッキー踊りを踊ったりすることにした。完璧なまでに空想が捗る仕事だった。むしろ空想が仕事の本体だった。

日頃のストレスの憂さ晴らしなのだろうか。パートの中年女性に嫌がらせを受けて困っていたところを、別の中年女性に助けてもらった。おばさんによって貶められたところを救うのもまたおばさん。世界はおばさんによって回っている。でもおばさん宇宙はおばさん宇宙で自己完結していてほしいし、おばさん以外を巻き込まないでほしいと私は思った。彼女からは帰りのバスで手作りのビーズのキーホルダーをもらった。

 

良いところ:設備環境は清潔。一人で作業に没頭できる。空想が捗る。

悪いところ:単調。人間環境が悪い。衛生管理が厳しい。時間の融通は利かない。女性比率が高すぎるのか殺伐としている。男の人は基本的にちやほやされるので働きやすいかも。

 

 

④ベーカリーのキッチン

朝4時起きしてバイトに向かった。介護施設に併設している小さなお店だった。

親方であるパン職人の手つきが鮮やか。手のかたちや動きに、何十年と仕事を続けてきたなりの精確さがあり、趣深かった。

 

良いところ:職人の手仕事を間近で見れる。就業人員が親方と私の二人だけなので、視界に人が無く、呼吸しやすい。

悪いところ:朝が早く、朝が早い。そして朝が早い。夜明けよりも早い。

 

 

⑤イオンスーパーのレジスタッフ

内容そのものは酷くつまらなかった。それでも時給と仲間に恵まれ、とても楽しく働くことができた。お菓子を差し入れしたり、他大バスケ部の男の子と仲良くなって張り合って英語の勉強をしたりした。このバイトを始めてから対人関係に対する気負いがぐっと減り、仲良くなりたいと思ったら自分から声をかけることが確実にできるようになった。ここで知り合った人とは今でもつながりがある。辞めたことを少し残念に思っている。

 

良いところ:派遣なので普通よりも格段に時給が良い。カゴに商品を移すのにテトリスのようなゲーム感覚が持てる。男女比は女性が圧倒的に多いものの、バイトリーダーが人格者だったためか人間環境は良かった。客が来ない間の、他のバイトと喋れる時間が多い。シフト管理なので時間の融通が利く。健康的な時間に帰宅できる。

悪いところ:バイトの制服があまりにダサい。頭髪や靴の指定が厳しい。他人と喋るのが嫌いなら煩わしく感じるかもしれない。創意工夫を持ってしても覆らない作業の単調さ。社員が無能。

 

 

⑥映画館の映写とチケットもぎり

とにかく特典で映画を無茶苦茶に観た。

9割がた大学生の職場というのは始めてだったと思う。惣菜工場はおばさん宇宙だったけれど、こちらは大学生の園。周辺にある、様々な大学の情報を得た。知人友人がデートで恋人と映画を見に来ている現場に何度も出くわし、笑いを噛み締めながらチケットの半券をちぎった。

 

良いところ:バイト仲間に見目麗しい人が多いので視覚的に楽しい。男女が全く同数なためか、気遣いが行き渡っていた。恋人を探すのにもってこい。映画を無料で見れるし売店でも割引が利く。映画の情報をいち早く知ることができるし、世間の反応も数値として把握できる。頭髪規定が緩い。

悪いところ:映写は基本的に一人で仕事を任される。単調。人手不足で時間の融通が利かない。拘束時間が長い。こちらもイオン系列なので制服はおしゃれとは言えない。

 

 

⑦宴会・結婚式披露宴のウェイトレス

現役。勤め始めて10ヶ月目。外注扱いの契約で都内の様々なホテルへ行き、多種多様なパーティを覗き見る機会を得た。バイト内容はバーテンダーと同等に最も面白い。その日によって着物を着たりチャイナドレスを身につけたり、あるいは客船に同乗することもある。

結婚式は何度見ても茶番のようだ。もちろん当事者達には並々ならぬ思いがあるのだろうが、仕事として執り行っている傍観者からすればこんなものかという感じ。会社の新人歓迎は下品な芸をやらされているところが多く、憂鬱な心地になった。

 

良いところ:毎度違うところへ赴く為、好奇心を満足させるだけの刺激がある。外注扱いなので、仕事に入りたい日の前日に連絡しても仕事をもらえる。時間の融通が利く。時給は良い。

悪いところ:頭髪規定が厳しく、場合によってはその場で髪を黒染めさせられる。移動時間が長い。人間環境が悪いところもある。他人との連携プレーができないと厳しい。

 

 

⑧有機野菜レストランのキッチン兼ホール

自家農園併設のレストラン。ここのことはよくわからない。というのも、(他に無いことだが)人間関係を理由に即日辞めたから。

 

 

バーテンダー

現役。勤め始めて8ヶ月目。何も言うことはない。良い仕事だと思う。

 

 

 

出来れば今年からは一年のまとめを、他人に見せてもいいぐらいの客観性を持って記録しておきたいと思う。できるかなあ。